井戸

小さい頃は、コンクリートや木の蓋(フタ)がされている井戸をあちこちで見ました。ポンプで水を汲むからフタをしたままでも使えるんだよ、と教えてもらったことを覚えています。夏になると野菜やスイカを井戸の水で冷やすと冷たくて美味しかったのに、冬は水道の水より井戸の水の方が暖かかったことが不思議でした。井戸の水は美味しくてすきでしたが、最近ではあまり井戸を見かけなくなりました。美味しい水を飲みながら、昔から日本人の生活に欠かせなかった「井戸」のことを少し知りたくなりました。

スポンサードリンク

井戸とは

一般的に井戸というと、深い穴を地面にほって地価から水をくみ上げるためのものというイメージがあります。「井戸」は水を汲むだけのものではなく、地面に掘った穴から、水以外にも温泉や石油、ガスなどをくみ上げるものも「井戸」に含まれています。石油をくみ上げる井戸のことを「油井(ゆせい)」、ガスをくみ上げる井戸を「ガス井(がすせい)」といいますが、現在一般的には水をくみ上げる設備のことだけを「井戸」と呼ぶことが多いようです。井戸を掘る技術が生まれる前までは、自然の川や湧き水を引き込んだり、せき止めて利用していました。これも昔は「井戸」と呼ばれていたそうです。その後、上下水道の設備ができるまで、井戸は生活用水を確保するための重要な手段でした。日本は地下に水脈が多くあり、地下水も沢山あるため海外に比べると比較的井戸を掘ることは難しいことではなかったようです。しかし、井戸を堀るのにも、人が人力で掘るものですから、昔は家ごとというよりは、集落や、何個かの家ごとに一つの井戸を掘って共同で使っていました。井戸の中に魚が住んでいれば、その井戸の水は綺麗だという証拠として、井戸の中にコイなどの魚を入れておくところもあったそうで、井戸の中の魚は取ってはいけないと言われています。使われなくなった井戸は、アナを埋めてふさいでしまいます。


井戸野種類

「井戸」といっても遺跡などからはっくつされる井戸は、地面に穴を掘っただけのものや、穴の周りを石や木材で、固めてあるものもあります。現在では、井戸の掘られている深さによって呼び方が違うようです。

木組みの井戸

古い遺跡から発掘される、井戸で板状にした木材をくいを使って打ち込むことで、井戸の中を加工してある井戸です。木組みの井戸には、杉や榊(サカキ)、松などが使われていたようですが、木材は腐ってしまうので、現在ではほとんど残っていません。

石組み・瓦積みの井戸

木組みの井戸と同じように、石材や瓦を敷き詰めていくことで井戸の中を加工します。瓦は石に比べると一つ一つがやや高価なものであったため、瓦積みの井戸は比較的身分の高い人の住まいに使われていたようです。

浅井戸

淺井戸と呼ばれている井戸は、川の近くなどで地下の浅い部分にある、伏水流(ふくすいりゅう)や水を通しにくい岩盤などの下にある不圧地下水をくみ上げることが出来る比較的井戸の深さの浅い井戸です。この浅井戸の深さはだいたい3〜4mのものから深くても20mのものまでの井戸です。ため池や貯水池からの上水道のくみ上げられるように利用されるための浅井戸は、広めの開口部になっていることがあります。浅い部分の地下水のため、混合物が入ることが多く、飲料用として新しく作られることはあまりありません。

深井戸

深井戸は、地表の水を通しにくい部分にふさがれたなかなか採取しにくい「被圧地下水(ひあつちかすい)」をくみ上げることが出来るように造られる井戸です。造りサカヤなどが、こういった被圧地下水を利用するために、新しく井戸を掘ることもあります。深い部分の地下水をくみ上げるために、井戸の深さは40m〜400mを超えることもあります。工業用などにも多く使われるため、大型のポンプを設置して使用します。

自噴井(じふんせい)

井戸の種類、というと少し違うかもしれませんが、掘りぬきの井戸で岩盤などの下を通る地下水をくみ上げます。水圧の高い状態の地下水に届くように井戸を掘った場合、ポンプなどを利用しなくても地下水自身の水圧によって自然に地下水が上がってきます。

井戸堀り

古くなった井戸を改修する人もいますが、新しい井戸は現在でも掘られています。井戸を掘る地域によって、地下水の量や川の影響もありますので、井戸を新しく作る場合は環境を調べることから始まります。

井戸を掘るための調査

井戸を作ろうとする場所の、地下水脈や周りの河川の状況などから、どのくらい掘れば水を汲めるようになるかを調査します。また、岩盤などの有無や地層についても調査し井戸を掘る時に使う機材と方法を決めます。

井戸の掘削

井戸の掘削作業は、掘る井戸の場所の地盤によっても変わってきますが、浅井戸を掘るか、深井戸を掘るかによっても変わってきます。浅井戸の掘削の場合、必要な深さが数mのことが多いので、小型のボーリング機材やバックホウを使い掘削します。また、かなり浅い場合は人力で掘ることもあります。深井戸の場合は、岩盤の有無によって変わってきますが、砂などの帯水層を掘削する場合は、大型のボーリングマシーンを使いパーカッションを利用した「パーカッション式井戸掘削機(いどくっさくき)」を使います。もっと深いところまで掘る場合や岩盤があるところでは、「ロータリー式ボーリングマシーン」を使って掘削していきます。浅井戸の場合も、深井戸の場合も掘った地層のサンプルをとり調べながら井戸を掘り進めていきます。

井戸を固定する

ボーリング機材で掘った部分から、井戸の内部に井戸の壁となるパイプを入れていきます。これはケージングと呼ばれていて、周りには粘土などを使います。

井戸のポンプを設置する

掘った井戸から水をくみ上げられるように、井戸の上部にくみ上げようのポンプを設置します。ポンプの大きさ機能などは、井戸の大きさや用途によってかわってきますが、飲料用に利用する場合は、水質の検査も行います。

スポンサードリンク

お問い合わせ